専門用語などを避けるべき介護声がけのマナー

声がけは、介護を行ううえでとても重要になります。

長く介護を行っている利用者とは、打ち解けてついフランクな言葉遣いをすることもあるでしょう。もちろんこれを否定するものではありません。介護歴が浅く、初めて介護事業所を利用する当事者はもちろん、長い年月介護事業所を利用している人にも、避けてほしい言葉や話し方のマナーがあります。

赤ちゃん言葉を使うと、介護=庇護という意識が芽生えてしまうことがあります。利用者のなかには、赤ちゃんのように寝たきりの方もいることでしょう。目上の人、年上の人であることを忘れずに、庇護をするような言葉遣いは避ける必要があります。

「今からOTさん来ますからね」というような、専門用語を使うのも避けましょう。「作業療法士さんがリハビリのために来てくれますからね」という言葉が望ましいです。専門用語を使わず、誰にでもすぐにわかる言葉選びを徹底することがポイントです。

「次失禁したら、もう介護に来てあげませんよ」など、脅し文句や不安を与える言葉遣いは介護士として一番のタブーです。「下着が汚れるのは気持ち悪いですよね。私やご家族もお着替えをお手伝いするのは大変なので、介護用おむつをつけませんか?」のように、利用者の気持ちにも寄り添う形の声がけに変えてみるとよいでしょう。

要介護者があだ名で呼んでほしいと依頼しても、利用者に対してはできる限り「〇〇さん」と敬称をつけて呼ぶようにしましょう。「〇〇ちゃん」などと呼ぶことは、赤ちゃん言葉にもつながるので避けるべきです。